酸化防止剤無添加ワインは体にいい?亜硫酸塩の健康への影響
ワインを飲むと翌日頭が痛くなるのは、酸化防止剤のせい?健康のために、やっぱり『酸化防止剤無添加』を選ぶべき?…
ワイン好きの方なら一度は、ラベルに書かれた「酸化防止剤(亜硫酸塩)」の文字を見て不安を感じたことがあるのではないでしょうか。
スーパーやコンビニでも販売されている「酸化防止剤無添加ワイン」。健康志向の高まりとともに「添加物は悪」というイメージが先行しがちですが、必ずしも「添加物」が悪いわけではありません。
国の指導指針や研究論文を紐解くと、ワインの酸化防止剤は決して「悪者」ではなく、むしろワインの品質と安全を守るために不可欠な役割を果たしていることが分かります。
この記事では、酸化防止剤の正体と人体への影響、そして美味しいワインの選び方を解説します。
酸化防止剤(亜硫酸塩)はなぜ必要?
まず知っておくべきは、「なぜわざわざ酸化防止剤を入れるのか」という理由です。
食品添加物を減らす傾向にある現代において、世界中のワイナリーが何百年もの間、添加物である亜硫酸塩(二酸化硫黄)を使い続けているのには、代えがたい技術的な理由があります。
国税庁が発行している『酒類製造における亜硫酸の適正使用について』※1において、亜硫酸塩には単なる保存料以上の、以下の重要な3つの役割があるとされています。
ワインの「酸化」を防ぐ(抗酸化作用)
ワインは空気(酸素)に触れるとすぐに酸化し、茶色く変色したり、劣化臭が発生したりします。
これに対し亜硫酸塩はワイン自身よりも先に酸素と結びつくことで、ワインのフレッシュな果実味や繊細な香りを守る「身代わり」の役割を果たしています。
有害な微生物の活動を抑える
ブドウの皮や醸造所には、ワイン造りに有益な酵母だけでなく、お酢を作ってしまう酢酸菌や、不快な臭いを出す野生酵母などの「雑菌」も存在します。
亜硫酸塩には、これらの有害な微生物の活動を抑え、ワイン酵母だけが健全に働ける環境を整える効果があります。これにより、腐敗や異臭の発生を防いでいるのです。
色素や成分の安定化
赤ワインの美しいルビー色や、白ワインの輝きを安定させる働きもあります。また、清澄化(濁りを取る作業)を助ける効果もあり、透き通った美しいワインを造るために欠かせない工程の一部となっています。
国税庁の指針による裏付け
国税庁は生産者に対し、無闇に添加するのではなく、食品衛生法に従って「健全なワイン製造に必要な最低限の量」に留めるよう厳格な管理を求めています。つまり、私たちが手にする一般的なワインは、衛生管理の努力の末に、必要最小限の量だけが添加されているのです。
人体への影響、「頭痛」の真偽
一方で、ワインによる頭痛は酸化防止剤(亜硫酸塩)が原因とされているケースもあります。実際のところはどうなのでしょうか?
基準値は極めて厳格に管理されている
日本における酸化防止剤(亜硫酸塩)の使用基準は、食品衛生法によって厳しく定められています(350mg/kg未満)。
しかし、実際の市販ワインに含まれる量は、この基準値よりもはるかに少ないケースがほとんどです。
比較としてよく挙げられるのがドライフルーツです。
ドライアプリコットなどのドライフルーツには、漂白や保存のためにワインの数倍~十数倍の亜硫酸塩が含まれていることがありますが、これらを食べてすぐに体調を崩す人は稀です。
このことからも、ワインに含まれる微量の亜硫酸塩が、直ちに健康被害をもたらすとは考えにくいと言えます。
「ワイン頭痛」の犯人は別にいる?
「赤ワインを飲むと頭が痛くなる」という現象は「レッド・ワイン・ヘッドエイク」として世界中で研究されています。
かつては亜硫酸塩が疑われましたが、近年の研究では別の原因が有力視されています。
- ● ヒスタミン・チラミン:
チーズやワインといった発酵食品に含まれる生体アミンと呼ばれる物質。血管を拡張・収縮させる作用があり、片頭痛の引き金になりやすい。 - ● アルコールの脱水作用:
アルコールによる脱水症状による頭痛。 - ● アセトアルデヒド:
アルコール分解の過程で発生する毒性物質による頭痛。
もちろん、喘息をお持ちの方にとっては、微量の亜硫酸塩でも発作の誘因となる場合があるため注意が必要ですが、多くの場合、頭痛の原因は飲み過ぎや体質、あるいは上記のような異なる成分が原因である可能性が高いのです。
酸化防止剤無添加ワインなら健康に影響はない?
では、「酸化防止剤無添加」と書かれたワインを選べば、健康リスクはなく、美味しく飲めるのでしょうか?
ここでも「無添加=問題なし」という思い込みには注意が必要です。
「無添加」が抱えるリスク
酸化防止剤を使わないということは、それだけ「ワインが無防備な状態」であることを意味します。研究論文※2では、亜硫酸塩を使用しない場合、以下のようなリスクが高まることが示唆されています。
- ● アセトアルデヒドの増加:
亜硫酸塩は、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドと結合して、その毒性を封じ込める働きも持っています。無添加ワインの場合、醸造中に発生したアセトアルデヒドがそのまま残りやすく、かえって悪酔いするケースもゼロではありません。 - ● 劣化と雑菌汚染:
保存性が低いため、温度管理が不適切だとすぐに劣化します。場合によっては雑菌が繁殖し、酸っぱい臭いや不快な風味が生まれることもあります。
日本の「酸化防止剤無添加ワイン」のからくり
また、日本のスーパーで安価に売られている「酸化防止剤無添加ワイン」の多くは、以下のような工夫で作られています。
- ● 加熱殺菌(パストリゼーション):雑菌を熱で殺す。
- ● 高度な濾過:菌を取り除く。
- ● 早飲み用:長期保存を前提とせず、作ってすぐに飲むことを想定。
これらは安全ですが、熱を加えることでワイン本来の繊細な香りが飛んでしまったり、熟成による深みが出なかったりするため、「ジュースのようで飲みやすいが、ワインとしての奥深さは足りない」という味わいになりがちです。
「健康にいいから」という理由だけで無添加ワインを選んでも、結局美味しくなければ満足度は下がってしまうことも懸念されます。
賢く選ぶワインの基準
ここまでお伝えした通り、「酸化防止剤入り=悪」「無添加=善」という単純な話ではありません。
重要なのは、「自分の目的と好みに合わせて選ぶ」という視点です。
おすすめ:国産の「酸化防止剤無添加ワイン」
渋みが少なく、甘口で飲みやすいものが多いため、平日の夕食や、ワインの渋みが苦手な方には最適です。ただし、長期保存を前提にしていないものもあるため、すぐに飲み切ることを推奨します。
おすすめ:通常のワイン
世界中の銘醸ワインは、ほぼ全て酸化防止剤を使用しています。それは、数年、数十年という熟成に耐え、芸術的な味わいを作り出すために必要だからです。一般の酒屋、ワインショップで販売されているワインであれば、健康への影響を過度に心配する必要はありません。
おすすめ:自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)
自然派ワインは単なる「無添加」とは異なり、有機栽培のブドウを使い、野生酵母で発酵させ、酸化防止剤を「極力使わない(極微量)」スタイルで作られます。独特の風味がありますが、生産者の思いやテロワールを強く感じられます。
ワインを美味しく楽しむための便利アイテム
酸化防止剤の有無にかかわらず、ワインは抜栓した瞬間から酸化が始まります。
「通常のワイン」も「無添加ワイン」も、開けたての状態をできるだけ長く楽しみたいですよね。また、ついつい飲みすぎてしまって頭痛が…なんてことも防ぎたいものです。
そんな時に活躍するのが、定量ディスペンサー「ポンのみ」です。
ポンのみDX
POINT&おすすめ機能
● 適量をコントロール:
デジタルタッチパネルで注出量を1ml単位で自由に設定可能。「今日は一杯だけ」という時や、飲みすぎ防止にも役立ちます。
● エアレーション機能:
若いワインや渋みの強いワインでも、空気を含ませてまろやかな味わいに変化させることができます(DX限定機能)。
ポンのみPRO
POINT&おすすめ機能
● 大容量ボトル派に:
デイリーワインとして1.8Lなどの大きなボトルを購入される方に最適。重たいボトルを持ち上げる必要がなくなります。
● 定量で安定した味:
30ml、45ml、60mlの3段階設定で、いつでも決まった量を注げます。
「酸化防止剤」について正しく理解した上で、「ポンのみ」を使って適切な量と保存管理を行えば、あなたのワインライフはもっと健康的で豊かなものになるはずです。

正しい知識で、良いワインライフを
酸化防止剤(亜硫酸塩)は、ワインを美味しく安全に届けるために欠かせない存在です。
食品衛生法の基準値や論文から見ても、適正に使用されている限り、人体への悪影響はほとんどありません。むしろ、無添加であることの酸化や劣化のリスクも理解しておく必要があります。
ワインは心と体を豊かにする飲み物です。過度な不安を持たず、正しい知識を持って、あなたにとっての「最高の一本」を見つけてください。
参考
※1 国税庁:酒類製造における亜硫酸の適正使用について
※2 J-STAGE(日本家政学会誌):ワインの製造と成分

